ギリシャ神話のアドニスは美少年。
その美貌は、愛と美の女神アフロディーテが見惚れるほどであったと言います。

アフロディーテがアドニスに目をかけ、一緒に過ごすうちに、二人は恋に落ちるわけですが・・・。
アドニスが命を落とすことによって、二人の恋は終わってしまいます。

そんな、二人の悲しい愛の物語をのぞいてみましょう。

スポンサードリンク

キュニラースとミュラー

昔むかし、アッシリア王キュニラースがいた頃。
キュ二ラースの家系は、愛と美と性を司るアフロディーテを崇めていました。

そのこともあってか、キュニラースの家族は美形揃い。
特に、娘のミュラー王女は、とても美しかったそうです。

ある日、ミュラー王女を見た親戚が「アフロディーテよりも美しい」と褒めました。
すると、それを聞いたアフロディーテは、「私より美しいとはどういうこと?」と怒り、ミュラーに呪いをかけました。
父であるキニュラースに恋をしてしまう呪いです。

ミュラーは、呪いのとおり、キニュラースを愛してしまいました。
来る日も来る日も悩み、ついに、ミュラーの乳母にキニュラースを愛していることを打ち明けました。

ミュラーを可哀想に思った乳母は、ミュラーとキニュラースを引き合わせることにしました。
ちょうど、お祭りが開かれる日があり、その夜がちょうどいいと思いつきました。

お祭りの日の夜。
顔を隠したミュラーと、目の前にいる女性がミュラーだと知らないキニュラースが会い、一夜を共にしました。

何事もなく、このままキニュラースにミュラーだと分かることなく、別れることが出来そうでした。

ところが、明かりの下でキニュラースは、彼女の顔を見てしまいました。
ミュラーだと分かってしまったのです。

怒ったキニュラースは、ミュラーを亡き者にしようとしました。
しかし、彼女は、なんとか逃げることに成功したのです。

アドニス誕生

父を愛してしまい、一夜を共に過ごし、命を奪われそうになったミュラーを可哀想に思った神々は、
彼女をミルラの木に変えました。

木は成長し、大きくなりました。

ある日、猪がミルラの木にぶつかりました。
すると、木が裂かれ、その中にはアドニスがいました。

この時、アドニスが生まれたのです。

アドニスはとても美しい赤ん坊でした。
アドニスを見たアフロディーテは、アドニスに恋をしました。

アドニスを箱の中に入れ、冥府の女王のペルセポネに一旦預けることにしました。

アフロディーテは、ペルセポネに箱の中を見ないようにと言いました。
ですが、見ないようにと言われると見たくなる、これは人も神も変わらないようです。
ペルセポネは、箱を開けアドニスを見てしまいました。

ペルセポネもまた、アドニスに恋してしまったのです。
そして、しばらくの間、ペルセポネがアドニスを育てることになりました。

アドニスとアフロディーテ、そしてペルセポネ

アドニスが少年に成長し、アフロディーテが迎えにやってきました。
しかし、ペルセポネはアドニスを手放したくありません。

アフロディーテとペルセポネは喧嘩を始めました。
騒ぎはおさまる気配がなく、天界の裁判所に公正に判断してもらうことにしました。

天界の裁判所に判断してもらった後、1年の3分の1はアフロディーテと3分の1はペルセポネと3分の1はアドニスの自由にしていいということになりました。

アドニスは、アフロディーテと過ごすうちに、彼女に惹かれていきます。
ついには、自分の自由にして良い時間もアフロディーテと過ごすことにしたのです。

アドニスの悲しき運命

アドニスがアフロディーテとばかり過ごすので、それを面白くないと思ったペルセポネがアフロディーテの恋人である軍神アレスに告げ口をします。
「アフロディーテは、あなたを差し置いて、人間の男に夢中になっている」と。

アレスは、当然怒ります。
アドニスは、狩りが大好きでしたから、猪に化けて彼を亡き者にしようと考えたわけです。
(※猪はアレスが化けたものではないという説もあります。)

アフロディーテは、狩りの最中に彼が命を落とすという未来が分かっていました。
なので、アドニスに、毎日狩りに行くのは止めるように言っていました。
ですが、彼はその忠告を聞き入れることはありませんでした。

そして、その日はやってきました。
アドニスが狩りをしている最中に、猪に襲われ、彼は命を落としました。

そして、アネモネの花が咲きました。

おしまい

アネモネの花

アネモネの花が咲いたという話には3説あります。

アドニスの血

アフロディーテが悲しんだことにより、アドニスが流した血から、赤いアネモネの花が咲いた。

アドニスとアフロディーテの血

アフロディーテは女神なので、命を落とすことができません。
アドニスの後を追うことができないので、せめて血だけでもと、自分の血をアドニスの血と共に流します。

その流した血から、赤いアネモネの花が咲いた。

ゼウスの力

嘆き、悲しんだアフロディーテは「アドニスが暗いあの世で過ごすのは、可哀想。せめて夏だけ私のそばに置いて欲しい」とゼウスに頼みました。

そして、夏になると、アネモネが可憐に花を咲かせる。

ギリシャ神話のアドニス

ギリシャ神話「アドニス」は、いかがでしたでしょうか?

私の感想としては、
今の時代にアドニスがいたら、インスタで話題になっているんだろうなーとか
アフロディーテが困ったちゃんで、アドニスが可哀想だなーとか

アドニスが生まれたのも、命を落としたのもアフロディーテのせい。
アフロディーテに人生を翻弄されすぎてて、辛いなと感じました。

アドニスには、神話から名づけられた花やカクテルもあります。
そちらの紹介もしているので良かったら見てみてください。

スポンサードリンク