田んぼの中にポツポツと西洋風のビルが建ち並ぶ。
のどかな田園風景と高層ビルという、なんともミスマッチで奇妙な風景が広がるのは、中国・広東省の開平(かいへい、中国語でカイピン)というところ。
今回、世界遺産に登録されている村落群のうち、自力村と赤坎鎮に行ってきました。
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開平ってどんなところ?
「開平楼閣と村落」は、碉楼(ディアオロウ)と呼ばれる高層のビルで有名な村落群です。
2007年に、赤坎鎮、自力村、方氏灯楼、蜆岡鎮、百合鎮の村落群が世界遺産に登録されました。
現在では、1833棟もの楼閣が残っています。
開平の特徴は何と言っても、中国の伝統と西洋の要素が融合した独特な楼閣です。
ちなみに、楼閣(ろうかく)とは「階を重ねて高く造った建物」のこと。
開平で人気の観光スポットとなっているのは次の5箇所です。
それぞれの観光地はお互い10kmくらい離れています。
見て回るには公共バスを利用するか、時間のない人にはバイクタクシー・タクシーのチャーターがおすすめ。
独特な建築様式は華僑によるもの
開平の楼閣は、ゴールドラッシュ時にアメリカやカナダに渡った中国人によって建てられたものです。
19世紀半ば、ゴールドラッシュと大陸横断鉄道の建設のための労働力が必要となり、大量の農民が北米に移り住みました。
このように長期間にわたり海外に居住する中国人を「華僑」と呼びます。
1880年代の排華政策により帰郷を余儀なくされた彼らは、故郷に移民先で見た建築様式を取り入れた楼閣を建てます。
楼閣の特徴は、中国と西洋建築の折衷様式となっていることですが、さらにそこに古代ギリシャ・ローマ、イスラムなどの建築様式も織り交ぜられており、非常に多様性に富んだ建物となっています。
よく言えば独特…悪く言えば、金持ちの見栄というか、道楽が表れているという感じですね。
なんでどの建物も高層なのか?
建物の周りには田んぼが広がります。
これだけ広々とした土地がありながら、なぜ華僑たちは楼閣を建てたのでしょうか?
その理由は、単に自らの富を象徴するためだけではなく、現実的な目的がありました。
1つは、水害による被害を防ぐため。
もう1つは、馬賊と呼ばれる盗賊から財産を守るためです。
ゴールドラッシュにより一攫千金を遂げた華僑たちは、馬賊の格好の的でした。
そこで彼らは、馬賊を発見しやすいよう高層のビルを建て、照光器や警報器を備え付けたのです。
自力村と赤坎鎮の風景
自力村は開平の村落群の中で最も有名な村で、ガイドブックなどでよく取り上げられるのはここです。
村ではあるものの、完全に観光地化されており、見学するには入場料を払う必要があります。
しかし、たくさんの建物が固まっており、そのうちのいくつかは中に入っての見学が可能で、屋上まで登れる楼閣もあります。
写真のような、楼閣が点在する田園風景が一望できるので、おすすめですよ!
一方の赤坎鎮は一般の町なので、入場料は無料。
ぶらぶらと自由に散歩しながら見て回ることができます。
完全な観光地ではないため、現地の生活風景を垣間見ることもできますよ。
開平観光の仕方
村落は開平に点在しているため、全てを見て回ろうとするとなかなか大変。
全部見たいという人は、ツアーに参加してしまうのが一番効率が良いと思います。
見たい場所が決まっている人は、タクシーをチャーターして回るのが良いでしょう。
自分たちは今回、自力村と赤坎鎮の二箇所へ行きたかったのでタクシーを使いました。
タクシーは開平の駅を出たところにたくさん停まっています。
開平へは広州からバスで2時間〜2時間半ほどです。
そのため、深センや香港、マカオからでも1日使って行くことが可能。
のどかな田園風景と西洋風建築というなんともミスマッチで不思議な風景は他では見ることができないのでオススメです。
ぜひ、足を運んでみてください!
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