「清算」と「精算」の違いが分からず、使い分けに迷っていることだろう。
まず、ざっくりとした結論からいうと、
「清算」は『人間関係や物事にケリをつける』『金の貸し借りにケリをつける』ぐらいに思っておけば問題なし。
「精算」は『金を細かく計算する』でいいだろう。
使用例は下の方に載ってるので、確認したい場合はそちらを参考に。
このように意味の似た熟語の違いについては、
「熟語の意味を丸暗記するのではなく漢字のイメージを考えろ!」
というのが俺のモットーである。
そもそも熟語以前に漢字の意味を考えないから熟語の意味がわからなくなるのだ。
また、漢字のイメージを掴むことで他の熟語への認識も高まるはずだ。
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「清」と「精」の違い
ということで、まず「清」と「精」の漢字の意味について考えてみる。
「清」はなんとなくわかると思う。
「清い」だから、「清」は簡単にいうと「キレイ」ということだ。
「精」の意味はよくわからん。
そんな時は「精」を使う別の熟語を思い浮かべてみるといい。
ここで「精子」しか思い浮かばない奴はダメだ!
「精密」「精巧」など色々出てくるはず。
なんとなく見えてきたかもしれない。
「精」ってのは簡単にいうと「細かい」「詳しい」ということだ。
つまり、大切なのは「清=キレイ」「精=細かい」という漢字に対するイメージを持つことなのだ。
もちろん他の意味もあるが、まずはこれぐらいのイメージを持っておけば大きな問題はないと思う。
「清算」と「精算」の違い
以上のような漢字のイメージがあるので、そこから改めて「清算」と「精算」の意味を考えてみる。
すると、
「清算」は『キレイにする』
「精算」は『細かく計算する』
という意味に繋がってくると思う。
「清算」の使用例
「キレイにする」というのが実はポイント。
キレイにする以上は、もともと汚いものが対象となる場合が多い。
より美しくする(プラスにする)という意味ではなく「マイナスのものを0にする」ぐらいの認識が近いかもしれない。
そこで対象となるのが、「人間関係や借金」である。
借金は貸す方も借りる方もなんとなく良い気分ではない場合が多い。
人間関係についても、清算しようとしてる人間関係なら良いものではないんだろう。
それらをキレイにするのが「清算」ということになる。
使用例としては、
・借りていたお金を清算した
・彼氏との関係を清算する
などである。
「精算」の使用例
精算は『細かく計算する』という意味だが、お金についてのみ使うと思っていい。
使用例としては、
・経費を精算する
・運賃の精算機
という感じだ。
間違えやすそうな事例
混同してしまいそうなのは、借金について。
あくまでも精算は計算するという点が主であるが、清算は0にするという点が主である。
だから、借金がなくなった状態を言いたいのであれば清算である。
しかし、複数箇所でお金の貸し借りをしていて、細かく金額を計算しないといけないような時。
その時は「借金の額を精算する」といっても間違いではないと思われる。
借金の額を精算したのちに借金を清算すれば良いのだ。
清算と精算を同時に使える事例
さらに、無理矢理「清算」と「精算」を同時に使ってみよう。
想像してもらいたい場面は、「別れる彼氏との最後の晩餐」だ。
二人は食事を終えて会計を済ませるが、彼氏が一括して払った。
もう恋人でなくなる彼氏に奢ってもらうのもシャクなので、自分の分は自分で払う彼女。
そして二人は別れを告げて、それぞれの帰路へ。
「食事代を精算したのち、彼氏との関係を清算した」という場面である。
SNSで呟けば、違いのわかる女だと思われること間違いなしだ。
ちなみに、このあと彼女は新たな気分を胸に、知らない街まで電車に揺られる。
定期券で払い切れないその分の電車賃は「精算」することになるのだ。
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