同じ読み方で意味も似たような感じの「十分」と「充分」
どっちでもいいやという気もしますが、微妙に意味が違うので使い分けができると、より良い文章が書けるはず!
意味の違いと使い分けを簡単にまとめます。
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十分の意味と使い方
「十分」の「十」はもちろん数字の「10」でもあります。
これは「10割」であることを意味していて、100%ということですね。
ですから、「十分」は数値的に表すことができるものが足りている状態を意味しています。
量や数が指標となるものです。
使い方の例としては、
・子どもの人数に対してお菓子が十分にある。
・サッカーの試合をするのに十分な人数が集まった。
などです。
また、「十二分」という言葉もありますが、これは120%であるということ。
十分足りている様子をさらに強調している言葉ですね。
逆に「腹八分目」などの表現は、80%ぐらいを表しています。
充分の意味と使い方
「充分」の「充」は、そのまま「充ちている・満ちている」という意味です。
これだけだと十分とも変わらない気もしますね。
そこで他に「充」を使った熟語を考えてみると…。
「充実」「充足」などが挙げられます。
共に「充実感」「充足感」のように、「〜感」に繋がる言葉です。
つまり、この「充」という漢字や「充分」という熟語は精神的に満たされている状態を意味しています。
使い方の例としては、
・気持ちだけで充分です。
・充分な休息を取った。
などです。
十分と充分の使い分け
それらを踏まえて、次の例文を考えてみます。
車にガソリンが”ジュウブン”入っている。
この場合は、どちらが正しいでしょうか?
実は、状況によってどちらも正しいと言えます。
車にガソリンが十分入っている。
と書いた場合は、単純に満杯になっている状態を意味しています。
ガソリンメーターがFullになっていて、客観的に見てガソリンが一杯に入っている状態ですね。
車にガソリンが充分入っている。
と書いた場合は、必ずしも満杯とは限らず、どこか目的地に行くのに足りるほどには入っている、または足りるであろうと主観的に判断している状態を意味しています。
言い方を変えると、ある人の判断では充分であっても、別の人の判断では充分でないかもしれません。
十分と充分の違いまとめ
しかし、ここまで厳密に使い分けなくても、ほとんどの場面において「十分」でも「充分」でもどちらを使っても相手には伝わります。
また、困った時は「十分」を使えば、ほぼ問題ありません。
精神的な充足感を強調したい時は「充分」を使うと良いでしょう。
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