巨人の星に出てきた速水。
足が速いというところまでは覚えていても、詳しく思い出せない人も多いのではないでしょうか。

速水は、飛雄馬が巨人に入団してから大リーグボール1号を花形に打たれるまでの間、チーム内での飛雄馬のライバルとして君臨していたヒール的存在
そのキャラクターは、飛雄馬のライバル達とは対照的で、人間の欲望やずるさ、嫉妬といった負の部分を一身に背負う役回りを負っています。

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速水譲次の初登場は、飛雄馬の入団テスト

飛雄馬と速水の出会い

甲子園で花形に敗れた飛雄馬は、親友判の父親を殴った先輩牧場をかばって高校を中退。
巨人の入団テストを受けることになります。

そこに、入団希望者の一人として現れたのが速水譲次です。

速水は、メキシコオリンピックの秘密平気と言われていた人物で、短距離、幅跳び、砲丸投げと万能な選手。
世間からの注目や金銭面を目的に、陸上からプロ野球へと転校しようと入団テストを受けにきました。

速水の次のせりふは、悲しくも現実を表しています。

つまり現代の日本では、陸上選手より野球選手の方が英雄なんだ・・・
同じ苦労するなら英雄になりたいや
またかりにメキシコで名をあげても一時のものだし、
金メダルは腹の足しにならないや

速水は、巧みな精神戦を挑む強敵

入団テストは、100m走、遠投、打撃テストの3つが行われ、速水は、

  • 100m走 10秒5
  • 遠投 95m
  • 打撃テスト セーフティーバント3本

で、飛雄馬とともに通過します。
この後に、飛雄馬と速水が試合形式で対戦し、正式合格者は飛雄馬となりますが、速水も補欠合格。
ただし、この時の「補欠」が、速水の飛雄馬に対するライバル意識に火をつけたのは言うまでもありません。

ところで、この時の打撃テストと飛雄馬との対戦で、速水が見せたのが、巧みな精神戦

堀内や巨人守備陣に調子の良いこと言って闘志を削いだり、飛雄馬と判を悪者に仕立て上げて自分がいい子になったり、最後は投球フォームに入った飛雄馬に「スパイクの紐が解けている!」と言って投球を狂わせたりと・・・これまで飛雄馬が経験しなかったような精神戦を挑んでくるのです。

結局は飛雄馬が勝つのですが、この対戦を見ていた花形をして
ずるいというより手強いやつだ
と言わしめるほどでした。

プロ入り後のキャンプ〜オープン戦での速水

プロ入りして合宿に入った後も、星へのライバル心をむき出しにする速水

練習の厳しさで飯が食えなくなる星を見て、死ぬ気で食べる
部屋でうたた寝してしまっている飛雄馬を見て、素振りをする

といった真っ当なライバル心の表現もあれば、先輩の目に止まるように、用具運びをして先輩の歓心を買い、飛雄馬には絶対にやらせないといった、相当にヒール的存在全開の行動も当たり前。

巨人の星の中で、憎らしいキャラを一人で演じきるところは大したものです。

そんな中、オープン戦で速水を代走要員に使いたいという一軍の希望が出る。
速水はそのためのテストとして紅白戦で代走に起用され、リリーフにたった飛雄馬と対決。
結果は、飛雄馬の落球で速水がホームに生還。
速水は、オープン戦で活躍することになります

開幕戦で飛雄馬が左門に打たれ、喜ぶ速水

キャンプからオープン戦にかけて、ライバル達は、軽い球質という飛雄馬の致命的な欠陥を見抜きます。

そして迎えた、巨人-大洋の開幕戦。

飛雄馬のリリーフに対して、左門を代打起用する大洋ベンチ。
川上監督は飛雄馬に左門を敬遠するよう命ずるのですが、飛雄馬は打たれたら二軍に行くと言って、監督命令に背きます。

そして左門にホームランを打たれる飛雄馬

この時の速水の言葉は、もう、世の中の悪役を全部一人で背負い込んでしまうほどの迫力です。

ついに星のやつ、無理の限界をさらけだしてくれたか
まったくあいつ台湾キャンプからずっとむりしてあばれくさって
しかしこれからは快速速水の出番だ
星の惨めな姿こそ俺の最高のエネルギー源になるという意味で
いなかっぺの左門くん、ありがとよ

事もあろうに、花形にちょっかいを出す?速水

花形に、お前じゃ星の代わりにはなれねーーって言われた速水

大リーグボール1号の完成を目指して飛雄馬が特訓を続ける中、速水は巨人-阪神戦で、花形にちょっかいをかけます

一塁に出塁した時に、これからは星ではなくて自分をライバル視したらどうだ?と大胆な発言。

花形はこれを一蹴します。

はたしてそうかな?こうして君の顔をみていても、いっこうにピンとこないがね
あの星にとってかわるほどの男とはね

花形の好感度がものすごーーーーーくアップした瞬間でした。
やはり、ヒールは重要です。笑

大リーグボール1号に負けた花形の餌食にされた速水

軽い球質という欠点を逆手にとって、大リーグボール1号を完成させた飛雄馬。
飛雄馬はこの魔球で、ライバル花形を打ち取ります

ライバルの復活に、花形自身の闘志も蘇ります。
ところが、この時に速水は、こともあろうに花形にちょっかいをかけます。
ところが、花形のトリックプレーで一塁でアウトになる速水。

これが原因でオールスター戦に出られなくなり、この後、執拗に花形の失敗を望むという・・・もう、超、嫌な奴街道まっしぐらになるのです。

コーラで乾杯する速水。せめてビールだろっ!

さて、ますます嫌な奴になってきた速水ですが・・・この後、そのヒールっぷりはますますヒートアップしていきます。

大リーグボール1号打倒のために、鉄球を鉄バットで打ち返す特訓をする花形。
花形はその特訓によって体を痛め、オールスター戦で力を発揮できません。

試合後に花形の後をつけていった速水は、花形の特訓を見ます。
体を痛めて、オールスター戦で良いところを見せられない花形を見て、速水はものすごーーーく喜びます。

そしてその翌日のオールスター戦で、観客席から観戦。
コーラを片手にとんでもないことを言って、一人で乾杯するという残念すぎるキャラを演じています。

たっぷりと恥をかきくさったいい気味も最高よ
憎いやつ同士共食いして、星めみじかき栄光の座からひきづり降ろされる
かんぱい!かっこよさを失った花形と虎の子の大リーグボールを失う運命の星のために!

大リーグボール1号打倒の物語に感動し、改心する速水

後日の試合後、速水は川上監督に、自分の妄想として花形の特訓で大リーグボール1号を打てるか?を聞きます。
川上監督は、確実に打てること、そしてその後におそろしいことが起こると予言します。

喜ぶ速水。(もはや、つける薬がない!)
そして、大リーグボール1号は、速水の目の前で、花形によってホームランされます。

ところが、ベースを1周してホーム直前に倒れる花形。
あまりの異常事態に動揺する中、川上監督に全てを見抜かれ、せめて医師に知っていることを話してこいと命令されます。

速水は医師に全てを話たあと、こんな言葉を残します。

こ、ここまで野球にかけているやつらがいる・・・
男の勝負とはここまで・・・
ああ、みにくい!ちっぽけだ!おれひとりだけ・・・
どうせもうくびだろうが、最後のどたんばにきて・・・ちくしょう!
野球はマスコミに名を売る道具だけのものじゃないとわかりやがるとは

クビにするかとコーチに問われた川上監督は、クビにはしないと言います。

なぜなら速水は、今初めて大巨人の一員になったのだからな。
そら感激に泣いとるわ
まあ当分二軍でしぼるさ


速水はその後、巨人の星の物語に出てきませんが(と思ってますが・・・違ったらごめんなさい!)、きっと男の熱い血潮を目の当たりにして、改心し、立派な社会人になってくれたであろうと期待したいところです。笑

以上、長くなりまし他が、速水譲次についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


巨人の星について、そのほかにも気になることをまとめてみました。

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