ご丁寧にありがとうございます。

この文、ビジネスメールで見ることがありますが、少々違和感がありませんか。

この表現は、人によっては少々「嫌味」のニュアンスを含んでいるように感じてしまう文の一つ。
相手の受け取り方次第で、目上の人や取引先に正しい敬語が使えていないということになりかねません。

ではどのようにしたら良いか?
この記事で説明したいと思います。

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嫌味に感じてしまう理由

この文が嫌味に感じてしまう理由は、「ご丁寧に」の部分にあります。

ご丁寧にありがとうございます。

と書くことで、

「わざわざこんなことまでしてくれて、大きなお世話だったんだよ!ご丁寧なことで・・・笑」といった嫌味のニュアンスが出てしまうんですね。

どのように言い替えるか?

では、この文を嫌味のない文に直してみたいと思います。

ご丁寧な〜で言い替える

上の文で、「ご丁寧に」が嫌味になるのであれば、「ご丁寧な」に替えられないでしょうか

例えば、
ご丁寧なお返事を頂きまして、ありがとうございます。
でしたらどうでしょう?

何が丁寧だったかを明確にして、「ご丁寧に」を「ご丁寧な」にすることで、嫌味なニュアンスがなくなったと思います。

「ご丁寧」を使わない

もう一つは、「ご丁寧」という言葉を他の言葉に言い替えることです。

そもそも「ご丁寧に」と「ご」をつけるのが、あまりにもへり下り過ぎていて、「慇懃無礼」に聞こえる面もあります。
ところが、
丁寧にご対応いただきまして、
のように「ご」を省くと、ちょっと簡略しすぎな気もします。

そこで「ご丁寧に」ということばを「わざわざ」に言い換えてみて、
先日は、わざわざお手間をおかけ致しまして、申し訳ございませんでした。
のように書き直してみると、嫌味な感じがなくなると思います。

「ご丁寧に」の間違いやすい用法

ここまで、
「ご丁寧にありがとうございます。」
を修正する方法を書いてきましたが、ここからは修正して余計にひどくなってしまう例を解説しますね。

「ご」の二重使用

ご丁寧なご説明をありがとうございます。

これは、丁寧に言い過ぎてしまった例。

目上の人に気を遣えば遣うほど、丁寧すぎて、微妙な敬語になってしまうことってありますよね。
そんな時にやりがちな間違いで、ご丁寧の「ご」と、ご説明の「ご」が被ってしまい不自然になっています。

正しくは、
ご丁寧な説明を頂きまして、ありがとうございます。
ですね。

最悪!「ご丁寧なことに」

ご丁寧なことにお返事を頂き、ありがとうございます。

これは、最悪の直し方です。

「そのままにしておけば良いものを、ご丁寧なことに返事までくれちゃってさ・・・まったく余計なことをするもんだ・・・」
といった雰囲気になりますね。

「ご丁寧なことに」は、「ご丁寧に」以上に嫌味なニュアンスが強くなります。


日本語は、ちょっとした助詞の使い方を一つ間違えるで、相手に伝わるニュアンスが大きく変わってきます。
言葉には細やかな気配りを持ちたいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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