冬季オリンピックなどで行われているソリ競技。
かなりスピーディーでスリリングな競技です。

一般的な氷上のソリ競技には、ボブスレー・リュージュ・スケルトンの3種類があります。

しかし、冬季オリンピックでたまたま見ただけで、何が違うのかよくわからない!という方も多いのでは。
これらのソリ競技について簡単に違いをまとめていきます!

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ボブスレー

ボブスレーは、比較的大きな箱型のソリに乗って行う競技です。
鋼鉄製の大型ソリではありますが、最高時速は130km/hにも達します。
コースの距離はおよそ1300mです。

ボブスレーの選手が行うこと

ボブスレーには2人乗りと4人乗りがあり、いずれも前後に並んで乗ります。
先頭の選手1人(ドライバー)はハンドルを操作し、後方の選手(ブレーカー)はブレーキを操作します。

ハンドルを操作するとソリの底についている刃が動いて、ソリの進行方向を変えることができます。
それによってコースとの摩擦を軽減して、なるべく減速しないようにするわけですね。
ただ、ブレーカーの主たる役割はブレーキというよりも、体をかがめることでソリ全体の重心を下げて安定させるということですね。

ボブスレーは「氷上のF1」

また、ソリの形を見ると滑らかな流線型をしているのがわかります。
これは如何に空気抵抗を減らすかとというのがポイントだからです。
そのような技術がF1とも通じるため、フェラーリ・BMW・マクラーレンなどの名だたる自動車メーカーが開発にも携わっています。
ボブスレーが「氷上のF1」とも言われる理由がよくわかりますね。

リュージュ

リュージュは、底に刃がついた板状のソリに乗って行う競技です。
コースの距離はおよそ1200-1300mで、時速120km/h以上で滑走します。
1/1000秒まで競われる競技は、オリンピックの中でもリュージュだけだとか。
スタートや滑走中のシビアなコントロールが勝敗を大きく左右します。

リュージュの選手が行うこと

1人乗りと2人乗りがあり、選手は足を先に向けて仰向けで乗ります。
ボブスレーと違って、ハンドルやブレーキはありません。
足を使って、底の刃を動かすためのクーヘと呼ばれる部分を操作します。

リュージュの特徴はスタート方法

ボブスレーやスケルトンと大きく異なるのはスタートの方法。
ボブスレーやスケルトンが自分で走ってスタートするのに対して、リュージュは腕の力でスタートします。
スタート地点の左右に掴むところがついてるので、そこを掴んで前後運動の反動のみでスタートするのです。

スケルトン

スケルトンは、1人乗りの簡易的な小さなソリに乗って行う競技です。
およそ1300-1500mのコースを、最高時速125km/hほどで滑走します。

スケルトンの選手が行うこと

最大の特徴は、ソリに頭を先頭にしてうつ伏せで乗るということ。

個人的には見てるだけでも超怖いんですが…。
ただ、完全に寝そべっているせいか、重心が下に保たれるので見た目以上に安定・安全な競技のようです。
特に操作するものはないのですが、それ故にスタートや体重移動が大きなポイントになる競技ですね。

ソリ競技のポイント

スタートダッシュ

どのソリ競技にも共通して言えるのは「スタートダッシュがポイントである」と言うこと。

モータースポーツはエンジンが搭載されているため、途中で加速ができます。
また、自力で進んでいるマラソンやスケートなども途中で加速ができます。

しかし、ソリ競技の場合は、途中で自力で加速することができません。
コースの傾斜によって加速しますが、自力で加速できるのはスタートダッシュのみなのです。

ボブスレーとスケルトンは走ってスタートするため、脚力が求められます。
またボブスレーは複数人で行うので、ソリへの乗り込み方などのチームワークも重要です。
リュージュは腕の力を使ってスタートをするので、腕力が必要になりますね。

滑走中の空気抵抗や摩擦の軽減

スタート後に選手の技術が問われるのは「空気抵抗やコースとの摩擦を軽減していかに減速しないか」という点に集約されます。

ソリ競技は1/100秒や1/1000秒を競います。
そのため、わずかな空気抵抗や摩擦の違いが勝敗を左右するのです。

空気抵抗を減らすための姿勢や位置どり、コースとの摩擦を減らすための刃の操作や体重移動など。
ただ滑っているだけに見えるかもしれませんが、勝つために選手に問われる技術が実は多いのです。

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